愛と理非道

おうちだいすき永遠の中二病ワーママの雑記ブログ

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クライムズ・オブ・ザ・フューチャー|みんな頭おかしい


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いや、みんな頭おかしいとしか言えない映画。

エログロというのか、退廃的耽美というのか・・・とにかく世界観が狂っていてとても良い。クローネンバーグ作品の中でもわかりやすい作品といわれてるみたいだけど、まず「痛みを感じなくなった近未来の世界で、新臓器を摘出するパフォーマンス」も「プラスチックを消化する器官をもつという人類の進化」も意味がわからないよ!

人々は痛みを感じなくなると、痛みに何らかの意味や陶酔を見出しだす・・・って意味わからないけど、よく考えると、わたしも「人生でそんなに味わうこともなさそうだから、せっかくなので」という勢いで無痛分娩メインの産院で無痛出産しなかった。

そんなかんじ?

ソールの最後の表情は、自分は新人類になったという進化への勝利宣言とわたしは感じた。

カンヌでは退出者が続出したらしい。そりゃそうやろー!と突っ込まざるを得ない。耳はいっぱい移植するもんじゃないよ!

不器用ではないと思うのに、卵の殻が上手に剥けない

自分では不器用なタイプではないと思っているんだけど、昔からずっと卵の殻が上手に剥けない。

古い卵を使うといいとか、卵をゆでるときに塩とか酢を入れればいいというのは調べたから知ってて、ちゃんと守っているにも関わらずこの有様。

ポテトサラダに入れるとか卵サンド作るとかなら最終的にわからなくなるからいいんだけど、このまま食卓とかお弁当に出すのは気が引ける。

ゆで卵に塩をつけて食べるのは大好きなのに、上手に剥けないのがイラッとするからなかなか作ろうと思えない。

どうにかならないのか・・・と思いつつ、もう多分どうにもならない微妙なコンプレックスのひとつ。

チェルノブイリ ーCHERNOBYLー|感情を揺さぶられるドキュメンタリーの最高傑作


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1986年、旧ソビエト連邦のチェルノブイリ原子力発電所で起きた、大規模な爆発事故についてのドキュメンタリー。

とある事情によりチェルノブイリの原発事故に思い入れあったので観てみたけど、なんか、いままで観たドキュメンタリー作品の中でどれよりも衝撃をうけた。

全5話の中にリアルさとめちゃくちゃに高いクオリティがぎゅっと詰まっていて、HBOの最高傑作といわれているのも納得した。

政府の非人道的な慣行、精一杯戦った現場の人々、処分される動物たち、不気味に続く日常とか、色々な角度から当時の日常が伝わってきて、とにかく怖くてたまらなくなった。

いつの時代も国や組織の上層部は隠ぺい体質である限り、ろくな人間はいないのだなと思った。

とにかく全人類観るべき神作品。

政府と戦った科学者たちの象徴として創作されたホミュックという人物を思うと泣けてくる。

イット・カムズ・アット・ナイト|後味の悪さが残るとてもビターなホラー映画


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ホラーなんだけど、幽霊とか怪物とかは出てこない。精神的な怖さ、信頼できないことの怖さのホラーな映画。

おじいちゃんとの悲しい別れから始まり、明るい雰囲気はほぼなく、ずーっとジワリジワリと「それ」に追い詰められていくような内容。ハッピーエンドではないし、スッキリもしない。かなり人を選ぶ内容だけど、好きな人はめっちゃ好きそう。

まず「それ」がなんなのかが最後まで明かされないのよね。病気、感染というワードや飾られている絵画とかの随所に散らばるヒントから推測はできるけど、劇中で明かされることはない。

家族ならばなにがあっても信頼出来て、悪いことはすべて外部がもってくると妄信しているポールが怖い。息子であるトラヴィスに過保護になりすぎたり、思い通りにしないと怒鳴るあたり、ちょっと人間的にアレなところがあると思う。

最終的にウィル一家が「ポールたちちょっと頭おかしい」と逃げ出そうとするところを、ウィル一家が「それ」に感染したと思い込んだポールが殺しちゃうんだけど、そもそも感染してたのは息子のトラヴィスっていうね・・・。

で、深刻な顔で夫婦向かい合って終わりっていう。

ポールの激情家具合とか思い込みの激しさも危ういけど、一番のガンはトラヴィスでしょーこれは。誰かが「アンドリューは夢遊病」とか言ってたけど、真相は「夢遊病のトラヴィスが夜中家から出入りしたり徘徊したりで感染してしまった」で、「徘徊している間の出来事が夢か現実か曖昧になって、皆を疑心暗鬼にさせてしまい最悪の結末となった」で正解でしょ。

面白かったか面白くなかったかは別にして、子持ちの身としては、小さい子供がかわいそうなシーンはフィクションでも見れないなって思った。

もやもやが残ったり後味が悪い映画を観るのがわりと好きな身としては、結構好きだった。

追読人間臨終図巻|英雄でも罪人でも死は平等だと淡々と感じられる本

追読人間臨終図巻

もはや活字には縁遠くなってしまったあほ人間ですが、少し前に手に取って読みふけってしまった本。

本の題名に「追読(ついどく)」とあるように、サメマチオ先生が山田風太郎先生の「人間臨終図巻」を読んで感銘を受け、その読書感想文のような形で連載をスタートさせたそう。

・・・で、単行本になっていたので読んでみたらのめりこんでしまった・・・!

一人物1ページで構成された読書感想コミック

すべてのページは山田風太郎先生の文章を引用しつつ、サメマチオ先生の漫画で感想や補足、時に編集さんとの話も織り交ぜつつ・・・といった内容が淡々と続いていく。

サメマチオ先生が山田風太郎先生の原作を読んであぁよく聞く「死は平等」って真理だなぁとの感想を描かれていますが、わたしはサメマチオ先生の描かれたこの追読人間臨終図巻を読んで同じ感想を抱いた。

どんな大罪人でも英雄でも死は平等に訪れて、生き様にかかわらず悲惨な死を迎えることもあるということ。偉業を成し遂げたからといって、素晴らしい最期を迎えられるとは限らないこと。

とにかく庶民でも有名人でも神の子であっても、死は平等であるということをこれでもか!とわかりやすくシンプルにかつストレートに訴えかけてくるこの本。追読人間臨終図巻というタイトルだけど、怖さは微塵もない内容で、むしろ感想としては時々笑いながら読みつつ、読了後にははぁーっと天を仰いでみたくなる。そんなかんじ?

サメマチオ先生の山田風太郎先生と人間臨終図巻へのリスペクトが随所に感じられて、活字苦手だしなぁと思う人でも読了後には絶対原作を読んでみたくなると思う!